体に大きな影響を与えるホルモンの変化は、決して無視できるものではありません。
正確な知識で適切な対処を行えば、つらい症状やお悩みもうまく乗り切れることと存じます。
女性のライフステージとホルモン
①思春期・・・・エストロゲンの分泌量が増える時期
②性成熟期・・・エストロゲンの分泌が盛んな時期
③更年期・・・・エストロゲンの分泌量が急激に減少する時期
④老年期・・・・エストロゲンの分泌が乏しくなる時期
NPO法人女性の健康とメノポーズ協会 編著
「年代別女性の健康と働き方マニュアル, 2012」、
日老医誌, 45(3) 270-273, 2008、
検査と技術, 26(2) 106-113, 1998より作図
なぜ女性の方が自己免疫疾患が多いのか
女性ホルモンとの関係
リウマチは、男女比1:4と女性に多い病気です。
これはリウマチだけに限られたことでなく、自己免疫疾患全般に当てはまります。なぜ女性に多くなるかについて、女性ホルモンとの関わりが考えられています。
女性ホルモンが直接病気を引き起こす原因とはなりませんが、女性ホルモンは自己抗体の働きや、免疫反応を促すサイトカインを活性化させやすいと考えられています。
エストロゲンとプロラクチン
女性ホルモンのうち、卵胞ホルモン(エストロゲン)と乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)にこのような働きがあると考えられています。
実際、リウマチは、特に月経のある年代(30-50歳)で発症しやすい病気です。エストロゲンは閉経すると分泌されなくなるため関連性が考えられます。
また、リウマチは、産後授乳中に悪化することがよくあり、プロラクチンの影響が考えられます。
妊娠・出産と自己免疫反応
女性がもつ妊娠・出産の機能も自己免疫反応とかかわりがあると考えられます。
妊娠中には、免疫の働きが抑えられます。これは、男性の精子や胎児の細胞は、女性にとっては一種の異物であり、これを非自己として排除しないように、免疫系の働きが抑えられます。
一方、出産後には、この免疫抑制が解除されますが、それが急激に行われると、反動で免疫の働きが一気に高まり、自己免疫反応の過剰が起きやすく、自己免疫疾患を起こしやすいと考えられています。
なぜリウマチは女性に多いのか?|東京のリウマチ専門医|湯川リウマチ内科クリニック (yukawa-clinic.jp)
女性の関節変形が多い要因として考えられることのまとめ
① 筋肉量が男性に比べて少ない(重力下で筋肉を使用せず、関節に頼った姿勢保持や体の使い方をしている)
② もともと関節が浅く作られている(出産するため)
③ 女性ホルモンの影響により自己免疫反応が過剰になりやすい
(リュウマチやへバーデン、ブシャール、外反母趾など、関節に炎症物質がたまりやすい)
④ 足裏の不安定さをてっぺんが効率よく補う理論により、自律神経失調状態になりやすい
(首周辺への影響を大きく受けることで交感神経が優位となりやすく、
便秘や冷え性、片頭痛やめまい、不眠など、様々な体の不調の要因ともなりかねない)